- PCB廃棄物はどこの処理業者に任せればいい？
- PCB廃棄物を処分する流れは？
- PCB廃棄物を回収してくれる業者は？
この記事ではご覧のような疑問をお持ちの方に向けて、PCB廃棄物の処理業者およびPCB廃棄物の処分手順を解説していきます。
PCB廃棄物は廃掃法により定められた特別管理産業廃棄物の一種です。また「PCB特措法」によって処分方法や処理施設が厳格に管理されています。
高濃度PCB廃棄物の処理は「中間貯蔵・環境安全事業株式会社（JESCO）」がおこなうことになっています。
低濃度PCB廃棄物の処理は環境大臣が認める処理業者、または各都道府県長から許可を得た処理業者に委託する形となります。（民間業者による処理）
すでに高濃度PCB廃棄物の処理期限（2023年）は過ぎているものの、低濃度PCB廃棄物に関してはまだ処理期限を迎えていません。（2027年3月末まで）
PCB使用製品を保有している法人・個人に対しては、期限内までに適切な形で処理することが求められています。
同様の製品を取り扱っている担当者の方は、ぜひこちらの内容をご覧になっておいてください。
目次
PCB処理業者の種類と概要
まずはPCB処理業者の種類や概要を説明していきます。
PCBに関する基礎知識もご覧いただけますので、ぜひ参考にしてください。
PCB廃棄物の処理業者や運搬業者には許可が必要
PCB（ポリ塩化ビフェニル）は毒性が認められている化合物です。もともとは化学的に安定した性質を利用し、電気機械類の絶縁油や熱媒体などによく使われていました。
しかし、1970年代にその有害性が認められ、現在ではPCBの製造や輸入がすべて禁止されています。
PCBは廃掃法で定める「特別管理産業廃棄物」のひとつです。（産業廃棄物の中で特に「毒性が強いもの」または「爆発の恐れがあるもの」が該当）
さらにPCB廃棄物は「PCB特措法」によって捨て方や委託先が細かく決められています。
PCB廃棄物を処理できるのは「国が認めた処理事業者」もしくは「環境大臣からの認定・都道府県長からの許可」を受けた業者のみです。
処理施設までの運搬を委託する場合は、特別管理産業廃棄物収集運搬業許可を得ている業者を選ばなければなりません。
当然、無許可の処理施設や運搬業者に処分を依頼するのは法律に違反しますので注意しましょう。
高濃度PCB廃棄物の処理業者｜JESCO
製品に含有するPCBの濃度が一定を超える場合は「高濃度PCB廃棄物」として扱われます。
高濃度PCB廃棄物の処理は「中間貯蔵・環境安全事業株式会社（JESCO）」に一任されていますので、他の処理施設へ持ち込むことはできません。
高濃度PCB廃棄物の処理施設は全国に5か所あり、それぞれの施設が担当する高濃度PCB廃棄物を受け入れています。
なお、保管登録がおこなわれていた高濃度PCB廃棄物の処理は2023年3月末をもって完了済みです。
この先、仮に高濃度PCB廃棄物を見つけた場合にはすぐ「各都道府県の担当部署」へ連絡したのち、JESCOが定める処分手順に従い製品を破棄しなければなりません。
低濃度PCB廃棄物の処理業者｜認定業者と許可業者
PCB濃度が基準を下回るものは「低濃度PCB廃棄物」として扱われます。
現在、国内で回収が求められているのはこちらの低濃度PCB廃棄物です。
低濃度PCB廃棄物に該当するのは「微量のPCBが含まれている製品」「PCBによって汚染された部品（金属やプラスチックなど）」などです。
低濃度PCB廃棄物に関しては、許可を得ている民間業者に処理を委託することになります。
民間処理事業者の種類は環境大臣が認定する「無害化処理認定事業者」、または都道府県長からの許可を得た「PCB廃棄物に係る特別管理産業廃棄物処分事業者」の2つです。
こうした処理事業者（処理場）の元までPCB廃棄物を運搬する際には「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」が必要となります。
※PCB廃棄物の濃度については「低濃度PCB汚染物の判断基準（案）について｜環境省HP」でご確認ください。
補足：PCB廃棄物を処分するときの流れ
PCB廃棄物を処分するときの流れを分かりやすくまとめてみました。PCB製品の取り扱い担当者の方は、こちらをご覧ください。
- PCBの検査
- PCBの保管届出
- PCB処理事業者の選定
- PCB廃棄物運搬業者の選定
- マニフェストの発行と委託契約
- PCB廃棄物の回収と処理実施
まず、手元にある製品がPCB廃棄物に該当するかどうかを検査します。PCB廃棄物として認められた場合は各自治体に対する「保管の届出」が必要です。
ひとまずPCB廃棄物を保管しながら、次に処理事業者と運搬事業者を選んでいきます。（処理事業者の中には収集運搬事業をおこなっているところもある）
また、PCB廃棄物の処理や回収を委託する場合にはマニフェスト（産業廃棄物管理票）の発行が必要ですので、同時に準備を進めましょう。委託先が決まったら正式に契約を交わし、マニフェストを渡します。
PCB廃棄物の回収が済めば、自分側でやる作業はほぼ完了となります。（あとは処理場から返送されるマニフェストを受け取り保管するだけ）
高濃度および低濃度PCB処理業者・処理施設・処分場の一覧
ここからは高濃度・低濃度PCB廃棄物の処理業者や処理施設を紹介していきます。
なお、以下にまとめている処理業者や処理施設は「廃棄物処理法に基づく無害化処理認定施設｜環境省HP」を参考としています。
高濃度PCB処理施設の一覧
高濃度PCB廃棄物の処理施設は全国で5か所です。
| 事業者名 | 取り扱いPCB廃棄物 |
|---|---|
| JESCO北海道事業 | ・変圧器類 ・コンデンサー類 ・安定器、汚染物等 |
| JESCO東京事業 | ・変圧器類 ・コンデンサー類 |
| JESCO豊田事業 | ・変圧器類 ・コンデンサー類 |
| JESCO大阪事業 | ・変圧器類 ・コンデンサー類 |
| JESCO北九州事業 | ・変圧器類 ・コンデンサー類 ・安定器、汚染物等 |
ご覧の通り、高濃度PCB廃棄物の処理は前述の「中間貯蔵・環境安全事業株式会社（JESCO）」が担っています。
これから高濃度PCB廃棄物を処分するケースはほぼないと思いますが、念のため上記の内容を覚えておきましょう。
低濃度PCB廃棄物の無害化処理認定施設一覧
これまでの間に環境大臣によって認定された低濃度PCB廃棄物の無害化処理施設は以下の通りです。
| 事業者名 | 都道府県 | 処理方式 | 廃棄物の種類 |
|---|---|---|---|
| 光和精鉱株式会社 | 福岡県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 株式会社クレハ環境 | 福島県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| エコシステム秋田株式会社 | 秋田県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 神戸環境クリエート株式会社 | 兵庫県 | 焼却 | ・廃油 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 株式会社富山環境整備 | 富山県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 株式会社富士クリーン | 香川県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 株式会社ジオレ・ジャパン（旧：関電ジオレ株式会社） | 兵庫県 | 焼却 | ・廃油 |
| 三光株式会社 | 鳥取県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 杉田建材株式会社 | 千葉県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| J＆T環境株式会社（旧:ＪＦＥ環境株式会社） | 神奈川県 | 焼却 | ・廃油 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 群桐エコロ株式会社（旧：株式会社エコロジスタ） | 群馬県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 環境開発株式会社 | 石川県 | 焼却 | ・廃油 ・その他汚染物 ・処理物 |
| オオノ開發株式会社 | 愛媛県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| ＪＸ金属苫小牧ケミカル株式会社 | 北海道 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 株式会社かんでんエンジニアリング | 滋賀県 | 洗浄 | ・トランス、コンデンサ等 |
| DINS関西株式会社（旧株式会社ＧＥ） | 大阪府 | 焼却 | ・廃油 ・その他汚染物 ・処理物 |
| ユナイテッド計画株式会社 | 秋田県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| エコシステム小坂株式会社 | 秋田県 | 焼却 | ・その他汚染物 ・処理物 |
| 北電テクノサービス株式会社 | 富山県 | 洗浄 | ・トランス、コンデンサ等 |
| ゼロ・ジャパン株式会社 | 青森県 | 分解・洗浄 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 |
| 三池製錬株式会社 | 福岡県 | 焼却 | ・その他汚染物 ・処理物 |
| 日重環境株式会社（旧赤城鉱油株式会社） | 群馬県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 東芝環境ソリューション株式会社 | 秋田県 | 分解・洗浄 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 |
| 株式会社太洋サービス | 静岡県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 株式会社電力テクノシステムズ | 香川県 | 洗浄 | ・トランス、コンデンサ等 |
| 九電産業株式会社 | 福岡県 | 洗浄 | ・トランス、コンデンサ等 |
| 東京鐵鋼株式会社 | 青森県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| エコシステム千葉株式会社 | 千葉県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 北海道電力ネットワーク株式会社 | 北海道 | 洗浄 | ・トランス、コンデンサ等 |
| 株式会社イオン | 福島県 | 洗浄 | ・トランス、コンデンサ等 |
| 日本製紙勿来クリーンセンター株式会社 | 福島県 | 還元熱化学分解方式（ジオスチーム法） | ・その他汚染物 |
回収や運搬も取り扱っているかどうかは業者ごとに異なるため、委託する際には事前に確認しておきましょう。
※低濃度PCB廃棄物の回収を依頼したい方はこちらをチェック
各都道府県長許可済みの微量PCB汚染廃電気機器等の処理業者一覧
こちらは都道府県長からの許可を得て微量PCB廃棄物の処理をおこなっている事業者です。
| 事業者名 | 都道府県 | 処理方式 | 廃棄物の種類 |
|---|---|---|---|
| エコシステム山陽株式会社 | 岡山県 | 焼却 | ・廃油 ・トランス、コンデンサ等 ・その他汚染物 ・処理物 |
| 三重中央開発株式会社 | 三重県 | 溶融焼却 （ジオメルト法） | ・廃油 ・その他汚染物 ・処理物 |
事業者ごとに対応する廃棄物と処理方法が異なるため、その点も確認しておきましょう。
低濃度PCB廃棄物の運搬委託なら信太商店まで
「自社で使っている製品から低濃度PCB廃棄物が見つかった」「できるだけ早く処分したい（回収してもらいたい）」
こうしたご要望をお持ちの場合は信太商店までご連絡ください。当社は特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可を取得していますので、安全かつ適切な形で低濃度PCB廃棄物を回収できます。
信太商店の会社概要・取得済み許可
| 事業者名 | 信太商店 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都渋谷区富ヶ谷2-5-6（本社） 東京都渋谷区笹塚3-44-8（笹塚営業所） |
| 設立年月日 | 平成22年（2010年）4月23日 |
| 主な事業内容 | 産業廃棄物収集運搬業、沈没船引き揚げ・解体処分等、一般貨物自動車運送業、リサイクル事業、樹木の伐採および木材販売事業、蜂の巣駆除および回収 |
| 取引先・一例 | NHK、防衛省、ヤマト運輸株式会社など多数 |
| 許可・免許等 | 【産業廃棄物収集運搬業】 ・東京都許可 第1300154938号 ・千葉県許可 第1200154938号 ・埼玉県許可 第1100154938号 ・神奈川県許可 第1400154938号 ・群馬県許可 第01000154938号 ・栃木県許可 第00900154938号 ・茨城県許可 第008011154938号 ・静岡県許可 第02201154938号 【特別管理産業廃棄物収集運搬業許可】 ・東京都 ・千葉県 ・神奈川県指令 資循第6002号 【ほか許可・免許等】 ・古物商 ・一般貨物自動車運送業 ・解体工事業 ・移動式クレーン免許/小型移動式クレーン/2級建築施工管理技士/フォークリフト/酸素欠乏危険作業主任者など |
| 営業時間 | 受付時間 8:00～20:00 業務時間 24時間対応 |
| 公式URL | https://www.shida-eco.com/ |
信太商店は東京都・千葉県・神奈川県における特別管理産業廃棄物収集運搬業許可を取得しています。
一般的な産業廃棄物の取り扱いに関しては一都六県（＋静岡県）から許可を得ていますので、同エリアであればPCB濃度が基準値に満たずただの産業廃棄物扱いとなった製品も回収できます。
工場の閉鎖や持ちビルの解体などに伴い、大量の産業廃棄物が排出される場合には当社までご相談ください。
信太商店の問い合わせ先・見積もりフォーム
当社への問い合わせ先は以下の通りとなっています。
| 電話番号 | フリーダイヤル：0120-937-277 笹塚営業所：03-6381-6141 |
|---|---|
| 問い合わせフォーム | https://www.shida-eco.com/contact |
| メールアドレス | shida@shida-eco.com |
「費用の相場を知りたい」「他社と料金を比べたい」といったご要望にもお応えしていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
なお、お見積りはすべて無料です。事前に製品の確認や調査が必要な場合でも費用はいっさい掛かりません。
まとめ
PCB廃棄物は種類（高濃度または低濃度）によって処理業者が変わります。現在のところ回収が求められているのは主に低濃度PCB廃棄物で、対応する処理施設は全国各地にあります。
ただし、PCB廃棄物を許可なく運搬することはできません。（＝処理施設まで勝手に持っていくことはできない）
PCB廃棄物を処分したい場合は、自治体から許可を得ている業者に回収を依頼しましょう。
信太商店はそんなPCB廃棄物の回収に対応した専門業者です。即日見積もり・即日回収を特徴としていますので、PCB廃棄物の処分にお困りの際はぜひご連絡ください。
