低濃度PCB廃棄物の処理費用はいくら?各製品ごとの相場や処分業者を紹介

低濃度PCB廃棄物の処理期限(2027年3月末)が迫っていることもあり、上記のような疑問を抱える各法人・個人・中小企業等は多いことかと思います。

将来的に、PCBを使用している電気工作物およびその他の製品(汚染物含む)はすべて適切な形で処理・廃棄しなければなりません。これは法律(PCB特措法)によって決まっていることです。

当記事では、そんなPCB廃棄物の処理費用や相場をまとめました。また、PCB廃棄物を正しく処分するために必要な基礎知識や概要も合わせて紹介していますので、対応が求められている方はぜひ参考にしてみてください。

低濃度PCB廃棄物の処理費用に関する概要

PCB廃棄物には大きく分けて2つの種類があります。

廃棄物の分類によっても費用は変わってきますので、まずは基礎的な概要からご覧ください。

PCB廃棄物は含有濃度によって2つに大別

PCB廃棄物は各製品に含まれるPCB(ポリ塩化ビフェニル)の濃度によって「高濃度PCB廃棄物」と「低濃度PCB廃棄物」の2つに分けられます。(または漏れ出たPCBの汚染状況)

項目高濃度PCB廃棄物低濃度PCB廃棄物
基準濃度5,000mg/kg超0.5超~5,000mg/kg(不燃性)
0.5超~100,000mg/kg(可燃性)
処理期限2023年3月末まで2027年3月末まで
備考すでに期限経過済みだが、残存する可能性あり
(発見した場合には各自治体に報告)
PCB使用製品だけでなく意図せずPCBが混入、漏出した汚染物が数多く存在する
参考:低濃度PCB汚染物の判断基準(案)について|環境省HP

昭和後期ごろまでに製造された古い高圧変圧器や高圧コンデンサーといった電気機械には、PCBが使われている可能性が高いとされています。

また、同時期までに竣工した事業用建物(ビルや工場)にはPCBが含まれる安定器を使った照明器具(蛍光灯・水銀灯等)が設置されていることもあります。

製造から長い時間が経過した電気工作物は、部品や素材の劣化によってPCBが漏れ出る恐れもあり大変に危険です。

なお、PCBの漏出で汚染された金属くず、プラスチック類などは、汚染の状況や度合いから低濃度PCB廃棄物に分類されることがあります。

PCB廃棄物を処分するときの費用は明確に定まっていない

結論から言いますと、低濃度PCB廃棄物の処理費用は明確に定まっていません。

PCBの処理には調査・回収・運搬といった作業が必要となりますが、低濃度PCB廃棄物の場合は種類が多数あることから依頼する業者によって掛かる費用が変わってきます。

PCB含有の調査や検査だけでも、掛かる費用は業者ごとに15,000円~50,000円程度とバラバラです。大型の電気工作物で取り外しが必要なもの、PCB飛散防止のために大がかりな措置が必要なものだと別途作業費が加算されることも考えられます。

なお、PCB廃棄物の早期撤去・早期処分は国が推進するものであり、各自治体では補助金・助成金制度が設けられています。

東京都では、個人・中小企業等の負担を軽減し、処理を促進するため、微量PCB廃棄物分析費用及び処理費用を助成しています。

引用:低濃度(微量)PCBの処理について|東京都環境局HP

調査費用や処理費用の負担を抑えたいのであれば、該当する自治体の制度内容を確認してみてください。

PCB廃棄物の処理費用は主に電気工作物の種類・重さ等によって変動

PCB廃棄物の処理費用は、高濃度・低濃度ともに処分する電気工作物の種類や重さ等によって変動する傾向があります。

当然、重量があるものほど費用が高額になりますので、PCBの使用が疑われる大型の機械を所有している方は早めに検査をしましょう。

高濃度PCB廃棄物の処理期限は2023年3月末までとなっていて、自治体への管理報告・届出があるものに関してはすでに処分が完了したと発表されています。しかし、PCB検査がおこなわれていない電気工作物が残っている可能性は否定できません。

仮に法的な処理期限が過ぎた高濃度PCB廃棄物を発見した場合には、各都道府県への報告が必要となりますので覚えておきましょう。

処理期限が2027年3月末となっているPCB製品(低濃度に該当)を期限まで使い続けることは可能。(ただし、検査に掛かる時間や処理費用の観点から早めの廃棄と新製品への切り替えが推奨される)

低濃度PCB廃棄物の処理費用相場|各製品ごとの目安

ここでは、低濃度PCB廃棄物に該当する主な電気工作物の処理費用相場を紹介していきます。

以下ではPCB廃棄物の処理を担当する「中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)」を参考にしながら金額の目安をまとめていますので、ぜひご覧ください。

トランス類の処分に掛かる費用

PCBが使用されているトランス類(変圧器)の処分に掛かる費用は以下の通りです。

  • 10kg~:約45万円~
  • 50kg~:約58万円~
  • 100kg~:約78万円~
  • 200kg~:約120万円~
  • 305kg~:約155万円~

こちらはトランス類の機械1台ごとの処理費用となります。調査費用と運搬費用は別で必要になるため、その点をよく考慮しておきましょう。

コンデンサー類の処分に掛かる費用

PCBが使用されているコンデンサー類の処分に掛かる費用は以下の通りです。

  • 10kg~:約50万円~
  • 50kg~:約80万円~
  • 100kg~:約120万円~
  • 200kg~:約200万円~
  • 305kg~:約270万円~

先ほどのトランス類(変圧器)よりも若干高く設定されています。なお、こちらも調査費用と運搬費用は別です。

仮に10kgの低圧コンデンサーを処分する際の費用を大まかに計算すると「調査費用:2~3万円」「処理費用:50万円」「収集運搬費用:5~10万円」(合計で60万円~70万円程度)といった金額になります。

とはいえ、実際にこれらの金額をすべて負担することはありません。各自治体の助成制度を活用すれば自社の負担額は大幅に減りますので、ぜひ該当する地域の助成内容を確認してみてください。

※一例として東京都の場合は処理費用の1/2相当額が補助される。(分析費用も最大12,500円/1台の補助)

参考:PCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物 助成事業【処理経費】|公益財団法人 東京都環境公社HP

安定器・その他の汚染物などの処分に掛かる費用

PCB含有の安定器が使われている照明器具(蛍光灯や水銀灯)やその他の汚染物の処分に掛かる費用は、だいたい3万円程度です。

なお、その他の汚染物として挙げられるのは、主に3kg未満の小型電気機器や感圧複写紙といったものです。(またはPCBに触れて基準値内の汚染が確認できるもの)

比較的小さな低濃度PCB廃棄物に関しては、回収や運搬費用が少額に収まる可能性もあります。

補足:PCBなし(不使用)のトランス・コンデンサー・安定器の処分費用について

PCBを使っていない、もしくはPCB濃度が基準以下の製品(トランス・コンデンサー・安定器など)は一般的な産業廃棄物として扱われます。

調査費用が掛かるケースはあるものの、特別な処理費用は掛からず、他の産業廃棄物とまとめて処分が可能です。

低濃度PCB廃棄物の処理費用に関してよくある質問

低濃度PCBと高濃度PCBでは処理費用が変わる?
高濃度PCB廃棄物に該当する電気工作物には大型のものも多いため、結果として処理費用が高くなることが考えられます。なお、回収や運搬時に特別な飛散防止措置(固定や囲い込みなど)を講じる場合には別途費用が掛かることも想定されます。
低濃度PCB廃棄物の運搬費用の相場は?
小型の電気工作物や汚染物であれば30,000円~80,000円程度、大型のものは100,000円以上が運搬費用の相場と推定されます。
PCB使用キュービクルの処分費用は?
中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)」を参考にすると、PCB廃棄物の処理費用は1キロあたり3万円程度なので、PCBを使用した古いキュービクル(高圧受電設備)に関しても同様の費用が掛かるものと考えられます。

低濃度PCB廃棄物の処理費用が気になる方は信太商店まで

「低濃度PCB廃棄物の具体的な処理費用が知りたい!」という方には信太商店の利用をおすすめしています。

当社は自治体からの正当な許可を得た上で、PCB廃棄物の回収をおこなっている専門業者です。回収や運搬に掛かる費用を迅速にご提示できますので、低濃度PCB廃棄物の処分にお困りの方はぜひお問い合わせください。

>>低濃度PCB廃棄物を放置するリスクについてはこちら

信太商店|会社情報および取得済み許可

     
事業者名 信太商店
所在地 東京都渋谷区富ヶ谷2-5-6(本社)
東京都渋谷区笹塚3-44-8(笹塚営業所)
対応エリア 対応エリア一覧
東京、千葉、埼玉、神奈川、栃木、茨城、群馬、静岡
※その他のエリアも対応可能な場合がございますのでお問い合わせください
設立年月日 平成22年(2010年)4月23日
主な事業内容 ・産業廃棄物収集運搬業
・一般貨物自動車運送業
・沈没船引き揚げおよび解体処分等
・樹木の伐採および木材販売事業
・リサイクル事業
・蜂の巣駆除および回収
取引先・一例 NHK、防衛省、ヤマト運輸株式会社など多数
許可・免許等 【産業廃棄物収集運搬業】
・東京都許可   第1300154938号
・千葉県許可   第1200154938号
・埼玉県許可   第1100154938号
・神奈川県許可 第1400154938号
・群馬県許可   第01000154938号
・栃木県許可   第00900154938号
・茨城県許可   第008011154938号
・静岡県許可   第02201154938号
【特別管理産業廃棄物収集運搬業許可】
・東京都
・千葉県
・神奈川県指令 資循第6002号
【ほか許可・免許等】
・古物商
・一般貨物自動車運送業
・解体工事業
・移動式クレーン免許/小型移動式クレーン
2級建築施工管理技士/フォークリフト
酸素欠乏危険作業主任者など
営業時間 受付時間 8:00~20:00
業務時間 24時間対応
公式URL https://www.shida-eco.com/

PCB廃棄物は濃度の高さに限らず、すべて「特別管理産業廃棄物」として扱われます。そのため、一般的な産業廃棄物収集運搬業許可では回収ができません。

当社は東京都・千葉県・神奈川県における特別管理産業廃棄物収集運搬業許可を得ていますので、適切な形での回収・運搬をご依頼いただけます。

なお、許可を得ていない業者に処分を委託すると、PCB廃棄物の所有者側(依頼した側)も罰則の対象となりますので注意しましょう。

信太商店|問い合わせ先

当社への問い合わせ方法は以下の通りです。

     
電話番号 フリーダイヤル:0120-937-277
笹塚営業所:03-6381-6141
問い合わせフォーム https://www.shida-eco.com/inquiry-for-business
メールアドレス shida@shida-eco.com

お見積りの際に現場確認が必要な場合でも費用はいっさい掛かりません。「他社と費用を比較したい」といったご要望にもお応えしていますので、お問い合わせ時にスタッフまでお伝えください。

まとめ

低濃度PCB廃棄物の処理費用は明確に定まっていませんが、高濃度PCB廃棄物の処理を担当する「中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)」を参考にすれば、対象物1kgあたり3万円程度が相場と言えます。

なお、この金額は処理に掛かる費用であり、調査費用や運搬費用は別途必要です。

信太商店ではPCB廃棄物の回収もおこなっていて、運搬費用のお見積りをすぐにご提示できます。低濃度PCB廃棄物の処理に困っている場合は、ぜひ当社までご相談ください。