PCB廃棄物の見分け方とは?PCB使用の照明器具(蛍光灯等)や低圧コンデンサーを調べる方法

現在、日本では「PCB特措法」によるPCB使用製品の処分期限が迫っています。

※低濃度PCB廃棄物の処分期限は2027年3月末まで(高濃度PCB廃棄物はすでに期限を過ぎている)

仮にPCBを使用した電気機器や各種製品を所有している場合には、法律に従う形で適切な処分をおこなわなければなりません。

特にいま調査が求められているのは古い建物に昔から備え付けられている「PCB使用安定器を用いた照明器具(蛍光灯等)」「変圧器・コンデンサー等の電気工作物」です。

特定の年代より前に製造された照明器具・その他の電気工作物にはPCBが使われている可能性があります。劣化した製品からPCBが漏れ出すと人体に悪影響を与えるため、国では特措法による処分期限を決めて回収を促しています。

この記事では、そんなPCB使用製品の見分け方を詳しくまとめました。

古い建物や古い電気機器を所有している方、また同様の建物の取り壊しを検討している方は、こちらの内容をご覧ください。

PCB廃棄物の見分け方と主な調査対象物

まずはPCB廃棄物の大まかな見分け方と調査が必要となる主な対象物を紹介します。

古い建造物を解体するときには必要となってくる知識ですので、該当する職種の方は参考までにご覧ください。

PCB含有の有無はまず製造年や建物の年代を確認する

PCBが含まれているかどうかを判別する場合は、まず製品の製造年と建築物が建設された年代を確認しましょう。

以下に該当する製品や建物はPCB使用の可能性があります。

PCB使用の可能性があるケース
  • 昭和28年(1953年)~昭和47年(1972年)の間に日本国内で製造されたコンデンサーや変圧器
  • 平成2年(1990年)~平成6年(1994年)ごろまでに製造された電気機器(コンデンサー・変圧器を含む)
  • 昭和52年3月(1977年)までに建てられた事業用建築物(※同建物に使用されている照明器具の安定器

参考:PCB含有の有無を判別する方法|横浜市HP

一般家庭用に販売されていた照明器具にはPCB使用の安定器が使われていませんので、原則として個人宅は対象外となります。

PCB含有製品を使っている可能性がある建築物と該当箇所は、主に「古いビルや工場および倉庫等」「古いマンションやアパートの共用部」です。

自分で判別できない場合はPCB含有調査を依頼する

所有している製品がPCB廃棄物に該当するかどうか判別できないときには、専門業者に調査を依頼しましょう。

PCB廃棄物の回収はPCB特措法によって義務付けられていますので、各自治体の区役所や市役所に尋ねれば対応する業者を伝えてくれます。

なお、処分期限(2023年3月末まで)が過ぎている高濃度PCB廃棄物が見つかった場合も役所まで連絡が必要です。

PCB含有の可能性がある主な調査対象物

PCBが含まれている可能性がある主な調査対象物を以下の通りです。

  • 変圧器
  • コンデンサー
  • 安定器
  • X線発生装置
  • 遮断機
  • 電気溶接機 など

古い変圧器やコンデンサーにはPCB含有の絶縁油が使用されているものがあります。また、照明器具(蛍光灯等)に使われる安定器も同様です。

その他、X線発生装置(またはX線検査装置)や遮断機、電気溶接などの電気工作物がPCB廃棄物の対象となります。

こうした電子機器や各種製品をお持ちの方は、できるだけ速やかに調査と廃棄をおこないましょう。

PCB使用安定器を用いた照明器具(蛍光灯等)の見分け方

ここでは蛍光灯等の照明器具にPCBが使われているかどうかを見分ける方法を解説していきます。

古い建築物(ビルや工場など)にはPCB含有の照明器具が使われている可能性があります。

照明器具が劣化・破損するとPCBが漏れ出して人体に悪影響を及ぼす恐れがあるため、早期の対処が必要です。

①銘板からの見分け方

PCB使用安定器が用いられている照明器具には「蛍光灯」「水銀灯」「低圧ナトリウム灯(トンネル用)」などがあります。

こうした照明器具にはメーカーが記載された「銘板」が付いていますので、銘板が読み取れるのであればこちらを確認してください。(メーカーに問い合わせるとPCB使用の有無が分かります

また、銘板には「電気用品型式認可番号(通称:三角逓番号)」が記載されているものもあります。

同番号は「〒●●-○○○○」 という形式になっていて、以下の条件を満たすものはPCB不使用と判断できます。

  • ●●が「61」で、なおかつ○○○○が「4172以上の数字」のもの
  • ●●が「61」で、なおかつ○○○○が「1~4171」で「PCB不使用安定器の番号一覧」に掲載されているもの

この判別方法でPCB不使用の製品であると見分けられた場合には、一般的な産業廃棄物として処理することができます。

ただし、一部製品には例外があるため、メーカーへの問い合わせも並行しておこないましょう。

参考:三角逓番号( 番号)による安定器の PCB 不使用の判別方法|中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)

②力率と製造年月からの見分け方

銘板からメーカー名が読み取れない場合には「力率」や「製造年月日(または建築物の竣工時期)」といった他の情報からPCB含有の有無を判断します。

力率計算式
引用:PCB使用照明器具に関する情報(メーカーが不明の場合の確認方法)|一般社団法人 日本照明工業会

製品に記載されている内容に従い、上記の①または②の計算式を用いて「高力率」かどうかを割り出すとPCBの使用有無が判断できます。(高力率でない場合はPCB不使用

なお、詳しい計算方法は「一般社団法人 日本照明工業会HP」を参考にしてみてください。

また、建物の竣工時期とPCB使用年代を照らし合わせてPCBの使用有無を判断するケースもあります。

補足:PCB不使用安定器の番号一覧

銘板に記載された「電気用品型式認可番号(通称:三角逓番号)」が正確に分かる場合には、以下の番号と照らし合わせることでPCB不使用を確定させられます。

参考:電気用品型式認可番号(三角逓番号61番台)PCB不使用安定器の番号一覧|中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)

PCB使用の可能性がある低圧コンデンサーの見分け方

ここからはPCB使用の低圧コンデンサーの見分け方を解説していきます。

こちらも銘板の情報や製造業者から見分けることができますので、その内容を覚えておきましょう。

①銘板からの見分け方

低圧コンデンサーの銘板に記載されている情報からPCBの使用有無を判別する方法は以下の通りです。

  • 原則として1991年(平成3年)以降に製造されたコンデンサーはPCB不使用
  • 原則として1994年(平成6年)以降に製造された変圧器類はPCB不使用
  • 上記の年代より前に製造されたものにはPCB使用の可能性がある

※ただし、ニチコン製コンデンサー・富士電機製の一部機器は上記年代以降に製造されたものでもPCB汚染の恐れがある(メーカー問い合わせ推奨)

参考:参考:PCB含有の有無を判別する方法|横浜市HP

銘板の製造年が確認できない場合は、メーカーまで連絡しましょう。

②製造業者からの見分け方

特定の年代に製造されたコンデンサーには高濃度~低濃度のPCBが含まれている恐れがあります。

そのため、まずは所有するコンデンサーが以下の製造業者のものかどうかを確認しましょう。

※リンクをクリックすると該当する機器の情報がご覧いただけます。

(2-01) 東京芝浦電気

(2-02) 日新電機

(2-03) 日立製作所

(2-04) 三菱電機

(2-05) 中国電機製造

(2-06) 指月電機製作所

(2-07) 日本コンデンサ工業

(2-08) 関西二井製作所

(2-09) マルコン電子

(2-10) 二井蓄電器

(2-11) 東京電器

(2-12) 松下電器産業

(2-13) 日立コンデンサ

(2-14) 帝国コンデンサ製作所

(2-15) その他

引用:高濃度PCB機器 簡易検索メニュー|一般社団法人 日本電機工業会

なお、製造業者や製造年がまったく分からない場合には、機械内部の「絶縁油」からPCB濃度を調査するしかありません。調査業者については各自治体の担当部署に尋ねてみてください。

補足:PCB含有の絶縁油が各機器に使用されていた年代

PCB含有の絶縁油が使われていた可能性があるのは「1954年~1990年」に製造された各電子機器となります。

ただし、1990年以降に製造された機器でも、ごくわずかな一部製品にはPCB混入の疑いがあります。

環境省・微量PCB混入電気機器
引用:微量PCB混入電子機器について|環境省HP

判別が付きづらいPCB廃棄物については、専門業者に調査してもらった方が確実と言えます。

なお、濃度に関わらずPCB廃棄物の処分方法や流れを知りたい方は「PCB廃棄物の適正処理について|経済産業省HP」を参考にしてみてください。

PCB廃棄物の処分や回収なら信太商店

PCBが使われている電子機器を所有している方、処分に困っている方は信太商店までご連絡ください。

当社はPCB廃棄物の回収をおこなっている専門業者です。東京都や神奈川県といった自治体から「特別管理産業廃棄物」の取り扱い許可を得ていますので、安心してご利用いただけます。

>>信太商店に依頼するメリット、PCB廃棄物の危険性について

信太商店の会社情報|各自治体からの許可

     
事業者名 信太商店
所在地 東京都渋谷区富ヶ谷2-5-6(本社)
東京都渋谷区笹塚3-44-8(笹塚営業所)
対応エリア 対応エリア一覧
東京、千葉、埼玉、神奈川、栃木、茨城、群馬、静岡
※その他のエリアも対応可能な場合がございますのでお問い合わせください
設立年月日 平成22年(2010年)4月23日
主な事業内容 ・産業廃棄物収集運搬業
・一般貨物自動車運送業
・沈没船引き揚げおよび解体処分等
・樹木の伐採および木材販売事業
・リサイクル事業
・蜂の巣駆除および回収
取引先・一例 NHK、防衛省、ヤマト運輸株式会社など多数
許可・免許等 【産業廃棄物収集運搬業】
・東京都許可   第1300154938号
・千葉県許可   第1200154938号
・埼玉県許可   第1100154938号
・神奈川県許可 第1400154938号
・群馬県許可   第01000154938号
・栃木県許可   第00900154938号
・茨城県許可   第008011154938号
・静岡県許可   第02201154938号
【特別管理産業廃棄物収集運搬業許可】
・東京都
・千葉県
・神奈川県指令 資循第6002号
【ほか許可・免許等】
・古物商
・一般貨物自動車運送業
・解体工事業
・移動式クレーン免許/小型移動式クレーン
2級建築施工管理技士/フォークリフト
酸素欠乏危険作業主任者など
営業時間 受付時間 8:00~20:00
業務時間 24時間対応
公式URL https://www.shida-eco.com/

信太商店が「特別管理産業廃棄物収集運搬業許可」「産業廃棄物収集運搬業許可」を取得しているのは上記の都県となります。

PCBを含む廃棄物や汚染物は特別管理産業廃棄物扱いとなりますので、産業廃棄物収集運搬業許可だけでは回収できません。

万が一、許可を得ていない回収業者に処分を委託するとゴミの排出事業者側が罰則を受けることになるため、事前に許可の有無を確認することが重要です。

当社であればPCB廃棄物から一般的な産業廃棄物までまとめて回収可能ですので、処分方法に困っている場合はぜひご依頼ください。

信太商店の問い合わせ先|見積もり無料

信太商店の電話番号・問い合わせフォーム・メールアドレスは以下の通りです。

     
電話番号 フリーダイヤル:0120-937-277
笹塚営業所:03-6381-6141
問い合わせフォーム https://www.shida-eco.com/inquiry-for-business
メールアドレス shida@shida-eco.com

お問い合わせの際に「PCB含有の可能性がある廃棄物を回収してもらいたい」と伝えていただけると、お見積りがスムーズに完了します。

なお、実際に現物の確認が必要な場合でもお見積りの費用はいっさい掛かりませんので、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

古い電気機器にPCBが使われているかどうかを見分ける際には、銘板に記載されている「製造年」「製造業者」を確認しましょう。

また、建築物自体が古い場合には竣工時期と設置されている機械の種類からPCBの使用有無を判断するケースもあります。

調査の結果、PCB廃棄物に該当した場合には法律に従う形で処分しなければなりません。PCB廃棄物は「特別管理産業廃棄物」に指定されていますので、同廃棄物の収集運搬業許可を得ている業者に回収を依頼します。

信太商店はこうしたPCB廃棄物に対応している産廃回収業者です。できるだけ早く回収に来てくれる業者を探している方は、ぜひ当社までご連絡ください。